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MotoGP/WSBK/Rebel250/台湾/音楽。Tech3チームマネージャーのニコラス・ゴヨン様を爆推しする。

ニコラス・ゴヨン 2023バレンシアテスト音声インタビュー訳

謹賀新年ニコ祭。

バレンシアテスト(MotoGPビデオパス民用)中に流れたニコの音声インタビューを訳した。約20分、長い!ありがたい!概ね逐語訳したけど、聞き取れない部分が多すぎた…。前半3分の1くらいでニコのマイクの音が極小で聞き取り不可能。あとマット・バートが早口すぎるのと、映像の話をしているところは、結構バサっと端折ったw

ニコも考えながら答えているし、逐語訳で日本語にしたら、いつも以上に意味不明になったので、一部、意訳で意図が伝わりやすいようにしています。まあでも、概ねニコの言いたいことは理解できると思うよ。

 

◆元映像はこれ。ビデオパス民用。ニコはアナウンサー席を訪れていたようだが、インタビュー中はニコビジュはない。(基本、アナウンサー席にカメラは入らないのだと思われる)

https://www.motogp.com/en/videos/2023/11/29/2024_motogp_t02_vc1_mgp_day01_fp2_if/485628

 

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ニコ「元気ですか?」

 

マット「はい、元気です、ありがとうございます。今回もあなたにお会いできて嬉しいです。最初の質問です。今朝、本当にペドロアコスタがあなたのガレージにいましたが、ライダーが初めて何周かして、MotoGPを味わい、そのキャリア全体を夢見ることはいつも特別なものですが、あなたの話に戻ると、彼を歓迎するのはクリスマスの日みたいな感じでしょうか、どんな感じでしたか?」

 

ニコ <ニコのマイクの音だけ極小でバイクにほとんど消されているのではっきり聞こえない> 「ええ、確かに、期待をしています。彼はチャンピオンですから。今日という日にいくつも期待することがあります。まず彼と会話し、最初のターゲットはMotoGPバイクと過ごすことです。<聞こえない> 基本的にチームとガレージで終日過ごして、チームと一緒にどのように働くかを見て、新しいメンバーに会うことなどです。初のMotoGPバイクは衝撃的なものです。<聞こえない>」

 

マット「あなた方Tech3は過去何年も新人ライダー、ルーキーと働いた多くの経験があるのでおそらくペドロにはとてもいい場所でしょう、あなた方がこういうシチュエーションに慣れているからです。ルーキーが学ぶのに最も難しいものはなんでしょうか、Moto2からMotoGPにステップアップすると、タイヤとかブレーキとかパワーとか全然違いますし電気制御のセットアップもありますが、ここから3ヶ月何が最も難しいことですか?」

 

ニコ「確かにタフなバイクですから難しいですね、マルク・マルケスバレンシアでバイクに乗りましたがセットアップは既に <聞こえない> 。ルーキーにはまず速くなっていってもらうことを期待していますが、MotoGPで乗ることはとても競争力が必要なことであることを理解しないといけません。<聞こえない>、今朝はライドハイトデバイスを使いました。自動動作がどのようであるか、とにかく <聞こえない>」

 

ルイス「どのようにペドロの次シーズンの期待をマネージしますか?カレックス時代は競争力があり、もちろんあなたはすぐに多くのことをできるようになって欲しいと思っているでしょうが、リザルトなどの観点で、次シーズンのマイルストーンなどありますか?」

 

ニコ<とても声が聞こえにくい>「パフォーマンスを出すことは期待される目標ですが、これはKTMのバイクなので、バイクに慣れることが目標と言えるでしょう <聞こえない。が、この辺でとうとうニコマイクの音声が大きくなる> ペッコ・バグナイアのMotoGPでの初年度と2年目の日曜日に何ポイント取ったか、何回ゼロポイントだったかをチェックします。もちろん、簡単なことではありません。ルーキーイヤーは簡単ではないです。ですから目標は定めず、他のKTMバイクと比較し、自分達がどこにいるかを確認して、何を達成できるか様子を見るでしょう」

 

マット「ペドロの話に戻りまして、ガレージでの彼は非常に自信があって安心していて……<マルケスとミルのコース上でのいさかい実況。中略>……ニコ、あなたがアコスタについて印象的であったことを教えてください。19歳で2回のチャンピオンですが、彼と始めて会った時の、彼の行動やふるまい、その成熟性についてどう感じましたか?」

 

ニコ「私から見ると、スペインのスクール出身の人は…AJOスクール出身者もそうですが…みんな、明確に仕事の仕方をわかっていて、訓練されています。彼らはどのように仕事をするのかを理解しています。ただ働けばいいというわけではなく高いスキルがあるのです。スペインのスクール出身者は、作業の仕方やトレーニングの仕方、ガレージでの時間の過ごし方、MotoGPでのクルーとの仕事の仕方を理解しています。MotoGPでは電気系のパートは学ぶべき非常に重いタスクとなりますが、彼らはその着手方法を知っています。基本的にそういうことはチームとの作業の後になりますが。ペドロはこの点をよく理解していて、技術的な観点でのバイクの知識が多くあります。現時点では、まだ始まったばかりですので、彼についてたった1周を見て語るのは難しいですが、はっきりしていることとしたは、アカデミーで学んできた彼のバイクの知識が多いということが、とても印象的でした」

 

ルイス「アウグスト・フェルナンデスが画面に映っていますので、話題に戻るのにいいタイミングですので、彼について聞きますね。昨シーズンは他のルーキーがいなかった点から、ルーキーシーズンの彼について評価するのは難しいですが、彼がシーズン中に見せた成長に、どのような印象を受けましたか?」

 

ニコ「アウグストはとてもよくやりました。常に過去の年と比較していました。ご存知の通り非常に難しいバイクですが、去年と同じレベルではありませんでした。今年は我々はバイクを信用していました。マニュファクチャラーランキングで2位ですから、よくなっています。アウグストは向上して、うまくやりました。彼は馬鹿なことはしなくて、結果を出す人です。性格については、スペイン人にしては非常に落ち着いています。ポル・エスパルガロとは真逆の性格です」

 

ルイス「笑」

 

ニコ「これは確実にはっきりしてますね。小さい進歩をステップバイステップでできて、なんでもひとつ理解すると、その点を続けていけるタイプです。シーズンは、ここまで良かったです。ハイライトとしてはもちろんル・マンで4位を取ったことです。シーズン中、レースでのアウグストには期待していましたが、良いシーズンが続きましたね。我々は1周のラップタイム改善について注力しました。ご存知の通り、今年のフォーマットでは予選が非常に重要です。予選が悪いと、スプリントでは順位が悪くなります。ですから1周のパフォーマンスを上げることを目標としました。これについては成功したと思います、何度かQ2に行けて、いい予選をできました。今は1周目で順位を争うこと、もっと即刻、速くなれることにフォーカスしています。それが現時点での課題です。予選でのペースのパフォーマンスはかなり改善しました。我々の手元に、もっといい2年目を達成するためのモノは揃っています」

 

マット「ニコ、今年一年でKTMは大きく進歩しました、シーズン後半にカーボンシャーシが導入されました。でもKTMMotoGPでは優勝していません、ここでも優勝を途中で逃しました。あなたの技術的な知識から、KTMがさらに向上するための鍵はなんだと思いますか?来年は最後のステップを踏むだけの段階なんでしょうか?」

 

ニコ「この奇妙な点について、昨日エンジニアとも会話したのですが、私自身の考えとしては、昨年よりもドゥカティには近付いていますが、レースには優勝できていません。全体的な感想ですが、どの統計にも数値にも、去年までよりもドゥカティに近付いていることが見られ、マニュファクチャラーランキングでは2位です。バイクの実際のパフォーマンスを見る方法の一つは、時にはトップライダーだけでなく、2人のライダーの数値を見ることです。明確にブラッド・ビンダーが例です。それからホンダと比較しヤマハと比較し、アプリリアとも比較します。我々はコンスタントなレースをするのは上手いですね。Tech3内ではここ数戦、Q2に行けていないですが、マニュファクチャラー全体では何度かQ2に行けているということも、覚えておかないといけません。今年は誰かしら1人はQ2に行けているんです。これは大きな進歩です。バレンシアのレースについては、優勝しそうでしたが、もちろんライダーはミスするものなので、ジャック・ミラーはクラッシュしましたし、ブラッド・ビンダーは前輪の問題でミスしました。しかし優勝争いをしていました。シーズン中についても、何度も優勝争いをできていました。ですから明らかに進歩は見られます。これは確実です。記録として、優勝はできていないですが、我々が進歩したというのは確実なことですから、来年は勝利を達成できることでしょう」

 

ルイス「ペドロ・アコスタがアウグストと共にチームに参加することで、来期はポル・エスパルガロのシートがなくなったことが報じられました。今年ポルが見せた献身と決意にどのように敬意を払いますか」

 

ニコ「ポルのモチベーションは疑いようがありません。いつもモチベーションが非常に高く、最初からずっとそれを見せていました。<ポルティマオでの>転倒事故からのカムバックに関する話なんですが、チームに会いにくるということで、ボス達にメールしていました、「みんな、僕は今までよりハードにやってるよ。今までの生活に戻りたいから。こういう特殊な状況に長くいることは辛いよ。でももっと早く回復するために、口と歯の固定をしているんだ」と…。とにかく大変な時期を過ごしましたが、信じられないレベルで、彼は戻ってくるためにできることをすべてやって、努力していました。しかし彼が求めていた結果には届かなかった。最初のレースで、彼の体が予期していたレベルになっていなかったと我々は知りました。彼の回復期間中に、バイクもかなり変わりました。それが彼の求めていた方向性ではありませんでした。彼が戻ってきて、それが実感された時、彼の求めるような、新しいKTMバイクを準備しようとしました。過去使っていたセッティングの1つに戻すことも試しました。しかし同じようにはパフォーマンスが出ませんでした。我々はやれることはすべてやりました。しかし最終的に毎回、彼はタイヤと肉体的状態に苦しむ結果になりました。今シーズン起きた色々なことのせいで、ガレージの外では、少しメンタルの疲れも見られました。このシーズンの終わりは彼にとっては苦いものになったと思いますが、彼は良くやりました。絶対にギブアップしませんでした。ポルは人間的な面でスーパーライダーなんです。すごい奴として我々のもとにいるんです」

 

ルイス「マルコ・ベッツェッキが第一コーナーでワイドになっています。ベストタイムランキングでは16位です。<ベッツェッキが第一コーナーで曲がりきれない様子のリプレイとその実況。中略>…これだけでは彼を判断できませんが…」

 

ニコ「彼の優勝は素晴らしいものでしたね、ものすごく強かった」

 

ルイス「そうですね。お忙しいところすいませんが、まだ私からいくつか質問があります。KTMにテストライダーのダニ・ペドロサが今朝来ていましたが、その時、みんなの注目の的はマルク・マルケスで、彼は13周ほどドゥカティに乗りました。彼は来年、チャンピオン候補になると思いますか?」

 

ニコ「ええ、ええ、確実にそうでしょうね。ドゥカティのバイクが速いことは疑いがありませんし、更に驚くことに、全ライダーが速いんですから。ライダーが乗ったら、勝てるって感じるんですよ。今シーズン、ドゥカティに乗ったライダーは何人ですか?優勝が6人?8人中?私からすると、よく開発されたバイクだと思います。よく見られるのは、1人だけよいパフォーマンスを出すことです、ヤマハに乗っていたロレンソとか、ホンダに乗っていたマルクとか。でも<ドカでは>全員がいいパフォーマンスをしてますよね。それがバイクのレベルを見せています。疑いようもなくマルクは最速ライダーの1人です。だから私は彼がチャンピオンシップ争いをすることに疑念がないです」

 

マット「あなたについての話です、ニコ、2023年はあなたにとって全く違った年でした。あなたはクルーチーフとして長年を過ごしていましたが、初めてマネージャー職としてトップに立ちました、エルベ・ポンシャラルが役職を代わったからです。楽しんでいますか?来年も続けていくにあたりどれくらい楽しみですか?」

 

ニコ「完全に別の仕事ですね。ほとんど永遠みたいに、私は技術面で働いてきましたが、マネジメント職は全然違いますね。技術の問題や、ライダーの問題や、グリップがあるだのないだの、ワイドになっちゃうだの…そういう情報はもう管理しないんです。でも人を管理しなくてはいけない。チームメンバー全員の文句をね(笑)「俺の待遇あんまりよくないですよね」みたいな、こういうのが基本的な「人の管理」ですね。何人かチームを離れたメンバーがいます。私もパドックに生きている人の1人ですが、人数はそう多くないですよね。人を採用する側の人間ではなかったのですが、今はそれも私の仕事です。まあステップバイステップでやっています、エルベもまだ近くにいて、私に教えてくれますよ。「大丈夫、すぐ誰か見つかるって、そういうものだ」と。我々両者で仕事を調整中です。私ができることから、もっとチームの管理を政治的な面でやっていきます、それが我々にとって良いです。政治的な面から始めて、よりチームを支えていきます」

 

マット「いつもあなたとの会話は楽しいです。ペドロ・アコスタの第一シーズンの、チームマネージャーとしての、エキサイティングな来年を過ごせることと、御成功をお祈りします」

 

ニコ「ええ、私もそう願っています、ありがとう。ありがとうございました」

 

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◆ニコヲタの感想

・「チームを離れた人がいる」のあたり………ギヨームとパスカルの後任探しが難航してるんでは……?経験者求む!つってパドック内を探してそうな文脈。それで引っ張ってこれてなかったんだろうなと思う。

 

・「メンバーの文句をマネージしてる」の話でマットの笑いをとってたけど、マネージャー職は大変そうだなあ…。だって質問の「楽しんでますか?」って部分は拾わなかったわけだからねwがんばれ……。

 

KTMがフルレースで優勝してなかったの、私は全然気付いてなかった……。言われて確認したら、ビンダーが優勝してたのはシーズン前半のスプリントで2勝だった。

 

・この動画を見てニコの声を拾う作業に没頭した直後に、Depeche Mode聴いたら完全に同じ声だと思った。やっぱニコは声がいいわあ〜〜。

Depeche Mode - World In My Eyes (Official Video) - YouTube

声、同じだわあ〜〜。

 

2024年も

声よし顔よし体よし職よし地位ありファンサ神

な、Tech3のチームマネージャーであるニコラス・ゴヨン様を全力で推す所存。