レディングとハスラムの発言が興味深かったので訳。SBKベテラン勢から浴びせる、ホンダのルーキー2人への冷や水、と言えるね………。
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いくつか他メディアも同じ内容の記事を出しているが、ソースはspeedweek
https://www.speedweek.com/sbk/news/189002/Scott-Redding-Karrieren-werden-in-MotoGP-zerstoert.html
・スコット・レディング「MotoGPは若いライダーを安く雇っちゃキャリアを潰しやがる」
ー2022年のWSBKでも世代交代が行われている。全ライダーの内10人が26歳以下であり、最年少は19歳のオリバー・ケーニッヒとなる。BMWのライダーであるスコット・レディングがこの発展について説明した。
MotoGPではここ数年、若手の台頭が著しく、世界チャンピオンになったヤマハワークスのファビオ・クアルタラロは23歳だ。伝統的に年齢層が少し高かったSBKでも、少しづつ若手が取って代わってきている。
チャズ・デイビス(35歳)は引退を表明した。トム・サイクス(36歳)とレオン・ハスラム(38歳)はイギリスのチャンピオンシップへ転向した。世界選手権でのシートを得られなかったためだ。しかし今シーズンのライダー10人が26歳以下で、その中にはチャンピオンのトプラック・ラズカットリオグルを含む。最年少はオレラックカワサキチームのオリバー・ケーニッヒで、ほぼ20歳だ。最年少のワークスライダーはイケル・レクオーナで、ホンダに乗る22歳である。
BMWのニューカマーとなるスコット・レディングは29歳半ばで、最年長はドゥカティワークスのアルバロ・バウティスタ、37歳だ。
レディングはspeedweek.comのインタビューで話した。
45「問題は、MotoGPは若いライダー達を大したことのない給料で雇って、キャリアを潰すことだと言える。それから結局、彼らはバイクに乗るためには、SBKみたいに他のチャンピオンシップに乗り換えなきゃあいけなくなるんだ。現在のMotoGPには若いライダーが多くいるが…俺は知ってんだよ、彼らは昇格しても、ロッシとか、ドヴィツィオーゾとかロレンソみたいな給料はもらってないってな。近い金額ですらねえんだわ。彼らはMotoGPで1年とか2年くらいやって、上手くやれなかったり、上手くできた回数が少なければ、放出される。そうすっと、彼らはMoto2に戻るか、同じくらいの給料でSBKで走るんだ。でもレースは少ねえし、ちっとしか楽しめねーんだが。だから(SBKに)若いのが増えてんだよ」
45「ホンダには2人、年長のライダーがいたな」
レディングは昨年のハスラム/バウティスタコンビについて言及した。
45「これは、彼らがオールドファッションな乗り方だったっていう事実に繋がっている。過去10年、バイクの乗り方がどれだけ変わってきたかっつうのによ。その上、2人ともよく転んでいた。もしホンダがジョナサン・レイかトプラックを獲得できたなら、若いGPライダーよりも優先しただろうな。だが2人には既に契約があったから、ホンダはもうちょいハードにプッシュできそうな若いライダーを雇用するリスクを選んだんだよ」
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→このspeedweekのインタビューを元ネタに、他のメディアも記事を出しているが、それぞれの表現方法が面白い。
こっちはフランスのPaddock GP
「彼は誰の話をしているのか、名前は言及しなかったけど、最後にとあるメーカーについて言及しているね…。イケルは21歳で、チャビは24歳だよ」と、2人の話題であることを匂わせている。(なお、イケルが21歳というのは間違い。正しくは22歳。2000年生まれという特徴的なプロフィールを忘れて年齢を間違えるくらい、過去からずっとPaddockGPはイケルを好いてなく、イケルがアンハッピーな時に憐れんだり皮肉ったりするような記事しか書かない傾向がある。ライダーの好き嫌いがかなりはっきりしたメディア。使いやすいから見てるけどさ……)
で、こっちはスペインのMotosan
「これはイケル・レクオーナのことを指しているのが明白だ」ときっぱり言い切ってしまっているw
ライターそれぞれのお国柄が感じられて笑ったw
→レディングは複雑な気持ちだろう。
各メディアの導入部分からは、ライター達は「次、世代交代を経験するライダーはレディング世代だね」ということを主張したいように見える。MotoGPがロッシ、マルケスに次ぐようなスターを新世代に据えたがっていて、若返りを図っているから、押し出し式でSBKも若返っちゃうし、SSPから育ってくる人もいるし。
だからインタビュワーは「若手が増えてるね〜。どう思う?」なんてことを多分面白がって聞いていて、レディングは本人の元来のキャラクターの通り、率直なことを言った。レクオーナとビエルヘがボヤボヤにぼかしていたお金の話や「MotoGP/Moto2にシートがない」という、現実の話。
この辺は、レディング自身がSBKに転向した時のことも重ね合わせたのだろう。あと、レースウィークが少ないということには、転向当初に自分自身がデメリットを感じたんだろう。
レディング自身はMotoGPで5年もやっていて恵まれてたから、レクオーナとシャーリンというMotoGPから2年で放出されたライダーへ、同情心があるかもしれない。(それが上から目線である可能性は、なくはない)
同時に、レクオーナやビエルヘのような若手がSBKに参入して、しかもワークスシートを得ていることを、レディングは自分への脅威として感じているかもしれない。だから「若いのを雇用するのはリスク」でもあるというようなニュアンスのこそ言っているのでは。
昨年の成績を見るに、自分のSBKでの地位が盤石だという自信もあるだろうから、「若い子だって、今MotoGPにいる誰かに押し出されるかもよ」とも見ているかもしれない。
ちなみに、去年MotoGPからSBKに転身したラバト(32歳)は、今年スペイン国内のスーパーバイク選手権に転身してホンダに乗ることになったとニュースが出た。元GPライダー、元Moto2チャンピオンがたった1年でSBK放出は結構ショッキングなんだが…。 ソース=https://www.speedweek.com/sbk/news/189224/Ueberraschung-Tito-Rabat-(32)-wechselt-zu-Honda.html
→ところでスコット・レディングってBRAHMANのTOSHI-LOWに似てると思う……
似てる……
TOSHI-LOWはレディングの一重版ってかんじ…
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・レクオーナ&ビエルヘの前任者、ハスラム先輩のインタビュー訳。
「ホンダはついに2022年に優勝できるか?ハスラムは疑問符」
https://www.speedweek.com/sbk/news/189695/2022-endlich-Honda-Siege-Leon-Haslam-bezweifelt-das.html
ーホンダは、2007年のジェームス・トスランド以来のSBKチャンピオンを待ち侘びている。最後のレース勝者は2016年5月15日、雨のセパンでのニッキー・ヘイデンである。その前は2014年7月6日のポルティマオでのジョナサン・レイ。ホンダはドライレースで勝利していない。
ドゥカティでバウティスタは2019年に合計19回優勝し、24回の表彰台を勝ち取った。ホンダでの2年間においては3回の3位入賞が数少ないハイライトだ。
2021年の夏にバウティスタ(37歳)がドゥカティに戻ることが判明すると、世界最大のバイクメーカーによるワークス参戦となるHRCは、レオン・ハスラム(38歳)と道を分かつことを決めた。最年長ライダーのコンビ2年間ののち、今年のホンダは最年少ライダーだ。イケル・レクオーナとチャビ・ビエルヘはそれぞれ22歳と24歳である。
91「僕はこのプロジェクトを続けたかったんですけどね。バイクは勝てるパッケージになれると確信してますよ。それが2022年かって?いえ、僕はそう思いませんね。彼らは優勝できるでしょうが、そんなすぐではないでしょう。ホンダはそういう状況には気付いてますよ。今は勝てるようになるための準備期間にあるんでしょう。僕がそれに気付いて以降、彼らと続けていけないことに、少しイライラしましたよ。うまくすれば僕の貢献は将来勝利するための助けになったでしょうから」
ーハスラム(5月31日に39歳になる)は今年、ブリティッシュスーパーバイクでカワサキに乗る。
91「僕の年齢では、プロジェクトが優勝できるようになるまで待っているような時間は、もはやないんです。僕はホンダのプロジェクトを完全に信用していますし、その一部になれたことは光栄でした。とても楽しみましたよ……しかし同時にフラストレーションのある2年間でもありました。半面で落ち着いていられるのは、アルバロと僕は、過去の多くの時代で理想的な成績を出した実績があったからです…彼は前年16回も勝っていましたね。2020年、僕達は同じポイント数でシーズンを終えましたし、彼の方が速いテストってのは一度もありませんでした。これは僕自身は自力でやれていたということですよね。僕のフラストレーションと苛立ちはこの2年間で頂点に向かっていったんです」
ーレオン・ハスラムは1988年に創立されたSBKチャンピオンシップにおいて、6つのメーカーで表彰台をとった唯一のライダーだ。2003年から2021年の間、313回のレース中45回の表彰台を獲得し、その内5回で優勝している。当時、アプリリア、BMW、ドゥカティ、ホンダ、カワサキ、スズキが彼を賞賛した。彼はまた、かの名高い鈴鹿8耐でも3回優勝しており、その内2回がホンダ、1回がカワサキだった。
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→勝手に読解すると、「過去に自分が一流ライダーだという実績を出してたから、2年間成績が思ったように出せなくても半分は落ち着いてられた。でも半分はイライラだった。ホンダのプロジェクトは信用してたから続けたかったけどもね」ということか。
大丈夫、大丈夫、イケルはMotoGPでもMoto2でも優勝したことないから大丈夫……(最高位は2018年Moto2、雨の地元バレンシアで2位)この点からは、イケルという人選が最適だったのではと感じる…。若いからまだプロジェクトが育つまで待てるだろうし、優勝したいだろうけど、今まで常勝してたわけではないから優勝できない時期が続いたとしても、今まで通りなわけだし…。
そしてなにしろ、速さはチラホラ見せてきているし。2021年は、最高速度をワークスほど出せないというハンデのある燃料を使わされた状態で、ワークスよりもベテランチームメイトよりもいいタイムを出したことが何度もあるんだから…。私はこの「elfの燃料問題」についてのペトルッチのインタビューを見て以来「イケルがやっぱ一番才能あるんだ」って確信している。(イケル自身はとうとう燃料問題の話をしなかった。Tech3に義を尽くしたのもあるし、昨年よく口にしていた「no excuse」をやり切ったのだと思う)
ミシュランのタイヤもなんかあやしかったし(「タイヤ以外何も変えてないのにレースになった途端、グリップがなくなってそれまでみたいに走れなくて、自分だけMoto2機にでも乗ってるみたいだった」byイケルin2021ミサノ2)、ドルナもKTMもイケルに期待してなかったし、去年まではハンデだらけって感じだったと思う。……おまけに個人スポンサーもうっすいし、有名ライダーや団体の後押しもない……(ペドロサは今年の人のことは手厚くサポートしてることが何度もメディアに報道されているけど、Tech3時代のイケルのことは全然助けてなかったと思われる。イケルがそういう発言を一度もしたことがない。イケルはロッシファンだし、スペイン人ライダーの中ではどちらかといえばマルケスとロレンソを好きそうだから、ペドロサが塩対応してたのかもしれないと勝手に思っているw)
正直、イケルには才能と若さ以外なんもない……。
HRCはいい賭けに出たんじゃない?と思うけど、どうなるかね……。(私は過度な期待はしないよ…それでもずっと推すけどね)
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・2022SBKの全日程確定。
https://www.worldsbk.com/en/news/2021/Provisional%202022%20WorldSBK%20calendar
8th – 10th April: MotorLand Aragon, Spain
22nd – 24th April: TT Circuit Assen, the Netherlands
20 – 22nd May: Circuito Estoril, Portugal
10th – 12th June: Misano World Circuit “Marco Simoncelli”, Italy
15th – 17th July: Donington Park, UK
29th – 31st July: Autodrom Most, Czech Republic
9th – 11th September: Circuit de Nevers Magny-Cours, France
23rd – 25th September: Circuit de Barcelona-Catalunya, Spain
7th – 9th October: Autodromo Internacional do Algarve, Portugal
21st – 23rd October: Circuito San Juan Villicum, Argentina
11th – 13th November: Pertamina Mandalika International Street Circuit, Indonesia
18th – 20th November: Phillip Island Grand Prix Circuit, Australia
→全12ラウンド。昨年末に出てたスケジュールだと「第13ラウンドをヘレスかイスタンブールで調整中」だったのだけど、結局なくなってるやんけ………。最後はヨーロッパでシメてほしかったなあ。
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・おまけ イケルとレブル
マドリードでのモーターサイクルショーの、プレス公開日に登壇した模様。
本人のインスタでいつでもみれる画像だが、最強に嬉しかったので、キャプを転載しちゃう!
\ドン!!/
イケルがレブルにィィーーーー!!!!!!*・゜゚・*:.。..。.:*・'\(*゚▽゚*)/'・*:.。. .。.:*・゜゚・*
この投稿、複数枚の写真があり、バイクと写っている画像は3枚。そのうち1枚がCBR1000RR-Rの30周年版。他2枚がレブル。
現場には他にもたくさんバイクがあっただろうけど、わざわざレブルを選んだっていうのは、
( 7 *´ ∀ ` ) <このバイクかっこいいね!れべる?…れぶる?へー。オレ、またがってみたーい
…とかって思ってくれたってことだよね??レブルがイケルの感性にささったってことだよね?GBとかHawkよりも!!(まあヨーロッパと日本とで売るものもショーの展示ラインナップも違うはずだけど、少なくともその2つはヨーロッパでも展示されそうな気がする…)
まあホンダの人に「今これ販促しまくってるから、イケルくんもSNSで宣伝しといてくれない?」と頼まれた可能性もあるがw(ステマまがい…)あとは、この撮影した時点で他のバイクはまだ用意できてなかったとかな…。
画像をなめまわすように見てみたらアフリカツインが背後にいるので、イケルが「れべる……れぶるかっこいいね!」と思ってくれたと勝手に信じよっと!w
いずれにしても推しが自分と同じ種類のバイクに一瞬またがってくれるだけでこんなに嬉しいなんて!!………これはやっぱり、CBR1000ほしくなっちゃうな……。
でもレブルは本当に気に入ってる!誰に見せてもかっこいいねってほめてもらえる!駐車場でよそのおじいちゃんとかにもほめてもらえるw
レブルさいこー。さいこーなレブルにまたがるちょーかわいいイケル、ちょーちょーさいこー!!(嬉しすぎて知能低下中)
そういえば、イケルのインスタのアイコン、もう4月だというのに、未だに12月に撮影されたジェニングスさんとキャミアさんとの写真だな……。
元画像はこれ。
もう現ウェアでのピンの画像はいっぱいあるのに、2人と一緒の写真を使い続けるところに、チームと仲良くしたい、一緒に力を合わせてやっていきたいという気概、歩み寄りの姿勢を感じる。ライダーの鑑。そうでなくてもイケルは性格いいし、絶対イケルのクルーって仕事しやすいだろうなー。
ジェニングスさんのインスタのアカウント名も、12月の初テスト以降ずっと「capotecnico_iker_lecuona」=イタリア語で「イケル・レクオーナのチーフエンジニア(=クルーチーフ)」になっている。なかよしか!!ジェニングスさんはインスタ公開してくれてるんだけど、自作バイクの様子とか自転車で体を鍛える様子とかをたまーーにアップしてて、クルーチーフの私生活が垣間見えて、参考になる。
ニコさんとマットさんは鍵かけてるから何もわからなくてさ……。つうかニコさん鍵の有無以前に、全然アップしてないようだから……。ニコさんさあ、実像が見えないから、私の「理想のおじさん像なすりつけられ人形」になっちゃってるんだよ??