・へレステスト後のキャミアさんのインタビュー。
https://www.speedweek.com/sbk/news/186035/Iker-Lecuona-Honda-will-ihm-das-Stuerzen-abgewoehnen.html
ーヘレスでのテスト2日目にレクオーナが転倒、左手小指を骨折したことで、テストの残り半分には参加しなかった。これは2021年MotoGPにおいて、レクオーナが年間26回転倒して転倒王となったことを思い出させるが……
キャミア「彼がとても若く、たった21歳であるということを忘れてはいけません。彼には圧倒的な才能があります。彼がへレステストの間、バイクに乗って見せたことはとても素晴らしいものでした。どのライダーにも長所と短所があります。
ライダーがレベルと競争力を上げられるよう、ライダーの周りのあらゆることを調整していく必要があります。こういう点で、彼には正しい構築が必要なのだと、私は思っています。そうすれば彼は自信を持ち、成長してゆくことでしょう。即刻、制約をかけたりしたら、ミスは起こりやすくなるものです。徐々に向上していくことを私は好みます。もちろん、即刻プッシュすることだって可能ですが、そうしたら、その時点で実際に何が起きているかを理解することはできないものです。とても速い時もあるし、たくさんミスする時もあるでしょう。
進歩するためにベストなやり方は、洞察に基づいてやっていくことです。ジョナサン・レイがそうしているのがわかりますね。彼はテストで色々試して、それから実行に移しています。我々はうちのライダー達に、こういうやり方を教えていきたいと思います」
ー2021年のSBKでの転倒王はアルバロ・バウティスタだった。彼は何度か「Firebladeの限界点がわからず、何の予兆もなく転倒する」と発言していた。
キャミア「アルバロはこの2年で何度も転倒しました。彼が転倒した理由は、別々の要因が複合したものでした。彼が転倒した際のライディングスタイルは、常に要因のひとつでした。我々はそれを理解していましたが、どのライダーにも、自身のスタイルというものがあります。それに彼の年齢では、適応することは、より難しいものです。同時に、彼は非常に速く、常に限界までプッシュしていました。いつも、プッシュすれば転倒もするというケースで、これは避けようがありません。それにミスもあります。ですから我々は可能な限りベストなバイクを作ろうとするのです。バイクにもっと競争力があれば、ライダーは乗りやすくなります、なぜなら絶えず限界まで攻める必要がなくなりますから。そして一定量の余裕も生まれます。ライダーは限界点がどこであるかを理解する必要があります。同時に、速く運転しようとします。その正しい妥協点を見つけるのは、簡単なことではないんですよ」
→元記事には「ホンダはレクオーナに転倒するのをやめさせたい」なんてタイトルがついてるけど、キャミアさんはそんな風にはっきり言ってはいない。まあ、そりゃ転倒してほしくはないだろうけど、キャミアさんの発言はかなり寛容。優しい。
キャミアさんはつい近年まで現役ライダーだったってことで、ライダーの気持ちをよく理解してそう…。イケメンで優しくて理解ある新上司ゲットのレクオーナ、まじおめでとう…。
バウティスタのコメント……レクオーナがMoto2時代2017年(2回、骨折して複数回欠場した年)のカレックスシャーシに対して言っていたコメントと、完全に同じなんだが………。2018〜19年のレクオーナはKTMシャーシにバッチリ適応して輝き出す。その結果カレックスに乗ってた期間はトータル約1.5年。2.5年目がもしあったら、どうなってたのかはわからない。もし2020年に、予定通りAJOに入ってたら、2年ぶりのカレックスシャーシだったんだけど。それでどれだけやれていたかは、今となっては誰にも予測不能。後任者の長島哲太さんくらいに、やれていただろうか。(……書いていて思ったけど、レクオーナのキャリアって他に類を見なくて、本当に面白い。マジで前例がないし、まだ21歳だし、将来になんの予測もつかない!面白い!)
とにかく、SBKホンダではレクオーナの学習能力が問われる2年間になりそうだねー。
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・こっちもキャミアさんインタビュー、2020〜2021年のホンダについて
https://www.speedweek.com/sbk/news/186087/Camier-zu-Misserfolgen-Was-haette-Honda-tun-sollen.html
ーアルバロ・バウティスタは2019年にドゥカティで16勝を上げ24回の表彰台を獲得して、チャンピオンシップ2位であった。しかしその翌年にはドゥカティを離れ、ホンダに加入した。その年俸は100万ユーロと噂されている。
ホンダは事前に新しいHRCのチームとCBR1000RR-Rによる、大志あるプロジェクトを提示していた。
しかし、この最大のバイクメーカーですらSBKですぐに成功を収められないということは直ちに判明した。チームの全員がお互いに慣れていくのに時間を要した。そして勝利できるマシンのベースを持たせていくことには、更に年単位で費やした。
ホンダでの2シーズンにおいて、3回3位を獲得し、年間ランキングでは9位と10位にとどまった。なぜなら彼は常時バイクの限界を攻め続ける必要があり、このクラスの誰よりも多くの回数、転倒せざるを得なかったからだ。
2022年と2023年、バウティスタは2019年にコンストラクターチャンピオンとなったドゥカティワークスに戻る。
キャミア「私は彼の決断、わかります。彼は37才で、ずっと速くあり続けています。ドゥカティで彼は優勝することができるでしょうし、すぐにチャンピオン争いをできるでしょう。ホンダのプロジェクトは比較すると、まだ新しいもので、コロナ禍のさまざまな制約によって、我々は当初の予定通りにバイクを開発することはできませんでした。先週のヘレスでのテストには、日本人は誰も参加していません。全てビデオ通話を通して対応しました。日本人技術者が現地にいる時とは違っていますから、進歩は遅れています。
成功には時間を要します、アルバロが予想したよりも。それに、彼が待てるよりも。しかし、このコロナ禍のレギュレーションにおいて、我々に何ができたでしょうか?ホンダはこのバイクとチームで2年目。運用機がいつ届くかもわからないし、ルールは制約されているし、初年度や2年目に競争力を持てるとは予測できません。ヤマハが2016年に新しいバイクを持ち込んでから、タイトルを獲得するまで、6年かかりましたよね。もっと現実的にならなくては」
ーもちろんこういう状況であってもホンダにとってこの2シーズンは苦く残念なものであった。
キャミア「ホンダは勝利したいのです。それこそが彼らの目指すものです。彼らはそれを成し得ない限り、ハッピーだとは感じないのです。しかし彼らは理解しています、プロセスも、それが今のレベルで達成されることが、どれだけ難しいのかも。全てにおいて時間を要するということは、スポーツをする人間は皆知っています。ホンダは成功のために、働き続けています」
→バウティスタのホンダでの年俸100万ユーロって、おいくら万円ですの?と、Google先生に聞いたら、なんか1億2千万円以上の数字が出てきたんだが………ヒェッ…!レクオーナとビエルヘは若くて数字での実績はあまりないから、バウティスタほどの額ではないだろうけど、まあそれなりの額が提示されてるんじゃないかと思う…。お金の面でも、Moto2に戻りたくないって言うわなあ……と思っちゃった…。Moto2って持参金が必要なんだろうし…。
給料よさそうで、上司優しくて、みんながエース扱いしてくれるステキな職場をレクオーナがゲットできた背景に、あの有名な人の影が…!↓
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・MotoGP。Tech3ポンシャラルさんのインタビュー。タイミング的に、MotoGPへレステストの後のコメントであると思われる。
ポン「イケルの2年目は、ルーキーイヤーよりも大きく進歩するものと予測されていました。しかし数々の要因全てによって、そうはならなかった。彼にとっても困難なことでした、転倒しないようにする一方でパフォーマンスを出さなくてはいけなかったのだから。彼は力を惜しまないライダーで、好戦的で、僕は彼にルチャドール(メキシコプロレスのレスラーのこと)というニックネームを付けましたよ。何度もプラクティスで興味深い点が見られたことは、確かな事実です、しかしそれをレースで達成することに我々はいつも苦労しました。イケルが極めて優秀なライダーであるという確信は、僕は今も持っています、とても才能がある、しかし、シーズン半ば、ガードナーとフェルナンデスを選ぶという段階では…KTMのマネージメントによって、決定がなされました。
その一方で、僕には嬉しいこともあります、MotoGPに参戦したことで、彼は名声を得ることができました、才能を披露したことで、アルベルト・プーチ(レプソルホンダのチームマネージャー)の目に止まって、WSBKのホンダワークスと2年間の契約をしたのですから。彼も喜んでいましたよ。
もちろん、彼はMotoGPに留まりたかったでしょうけど、優勝を、それにタイトルまでもを狙える可能性がある2年間の契約が、良いものであることを彼はわかっています。だから(2021年Tech3の)両ライダーに関して、僕達は良い雰囲気でシーズンを締めくくることができます。「持ってる」年もあるし、そうでない年もある。KTMにとってもTech3にとっても困難な1年でしたが、それも人生です」
→これ読む限り、レクオーナにHRCへのお声が掛かった決め手は、あのプーチさんなのだろう……マジか…。プーチさんの業務範囲を明確には知らないが、出光アジアタレントカップとかで若手に目を光らせているように見える。だからSBK側の人事に口出ししていても不思議はないと思った。プーチさんは同じMotoGPパドック内で、生でレクオーナ本人を見てきたのだし、まあこういう判断に至るのだろう…。プーチさんはバックヤードでポンシャラルさんから「おたくのイケルくん、どうよ」的なヒアリングしてそうだなーと妄想したw
(なお私の妄想では、ストーナーと近い世代で、同じ英語圏ライダーであったキャミアさんが、27番という数字でちょっと引っかかるモノがあってレクオーナを意識的に見ていたのではないか、と思っている)
ポンシャラルさん……やっぱりレクオーナのこともう1年は育てたかったんじゃないかなあ……。KTMに対して、レクオーナを守りきれなかった、という印象を受ける。私、酒飲みながらこれ読んで、またガチ泣きしちゃった…。やっぱTech3ほんとすき……。だけどもうKTMの傀儡になってるようにしか見えない…辛い…。あと4年間KTMかあ……。
ポンシャラルさんがレクオーナを続投させたかったと思うなら、新卒から天塩にかけて育てられてきた腹心のニコさんだって、そういう風にボスへ報告してたのだろう(あーーーヤマハ期みたいにニコさんの生の言葉を聞きたい…もう来年、茂木でニコ凸しようかなあ……w)もしそうだったならマジで辛い…人生うまくいかなすぎる…。でもうまくいかないのって、もっと飛躍するための、軌道修正に導く予兆だと思う。私自身の人生省みると。まあレクオーナもTech3も、来年はもっと目に見えやすい形(数字)で、うまくいくんじゃないかな…。結局のところ、数字って重視されるから……。
→追記
このポンシャラルさんのインタビューと、別のライトナーさんのインタビューを合わせた記事を見つけた。KTMのライトナーさんの弁だけ一部抜粋
ライトナー「イケルは何度か素晴らしいことを見せましたが、最終的には日曜のレースで結果を出せないことが、よくありました。彼は転倒によっていいポジションを失ったのです。イケルは才能を見せた、しかし我々は全てのライダー達とずっと共にあることはできないのです。(中略)このスポーツは時にはライダーと別れることがあるものなんです」
→元記事のサムネが親子みたいなニコさんとイケルで草。ニコさんとライダーがなぜか同じ表情、同じような眉毛の角度をしてる画像って結構あって、いつも可愛いなあと思う。やっぱニコしか勝たん
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◆おまけ
拾い画。2019バレンシアテスト中継の一幕。
最高のポンシャラルさんとレクオーナのGif画。Gifにしてネットに放流してくれた人、マジありがとう…。
キャハッ( 27 *´ ∀ ` )❤️(⌒▽⌒ ポ)キャッキャウフフ
2人とも可愛すぎて萌え死ぬる!!
2020〜2021のTech3は、我が胸の内で、とこしえに……!